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まだ夜が明けたばかりの森。朝日が山々を美しく照らしていた。 そして森には珍しい生き物がいた。 いや正確に言えばその生き物自体は珍しくもない。問題はその生き物がこの時間帯に行動している事だ。 生き物の名前はゆっくりれいむとゆっくりまりさ。大小合わせて6匹。 正確な数は子供のれいむとまりさがそれぞれ2匹ずつ。後は赤ちゃんれいむが2匹。 6匹は歌いながら朝日が眩しい森の中を跳ねていた。といっても赤ん坊のれいむ2匹は長女のれいむの口の中に入っているのだが。 「ゆっゆっゆっゆ~♪」 「ゆ~ゆ~ゆゆゆ~♪」 「ゆっくり~♪」 ゆっくり独特の音程の歌が森に響き渡る。朝の陽ざしを受けながらぴょこんぴょこんと生首が動き回る姿は かなりシュールである。 「ここでわかれようね! おひさまがしずむまえにゆっくりここにもどろうね!」 長女のれいむがそう言って立ち止まった。そこは近所のゆっくり達が集まるスポットだった。 いつからあるかわからない空き小屋である。元は人が住んでいたであろうそこは、今ではもっぱら子ゆっくり達の遊び場である。 「ゆゆ! そうだね! それじゃまりさたちはおがわにいってくるよ! おねーちゃんはあっちにいってね!」 「ゆっくりがんばってね!」 「ゆっくりがんばるよ!」 そう言うと次女のまりさと三女のまりさは川の方へ向かって言った。残ったれいむ達も森の奥へと向かい出した。 「ゆっくり"ぷれぜんと"をさがすよ! いもうとたちはゆっくりおくちにはいっててね!」 「「ゆっきゅりりかいちちゃよ!」」 「ゆっくりしないでいこうねおねーちゃん! はやくはやく!」 四女のれいむは待ちきれないのか駆け足で跳ねていく。 このれいむ達が朝早くから活動してるのはもちろん理由がある。彼女らは母親達のために"プレゼント"を探しにいったのだ。 彼女らと母親達は実の親子ではない。もっと言うと上の四匹と赤ゆっくり達も餡子は繋がっていない。 両親を事故で失い路頭に迷っていた彼女たちを拾ったのが、今の育ての親である ちぇんとありすの夫婦だった。この夫婦はかなりの高齢であり、今までにたくさんの子供を育ててきた。 しかし現実は厳しく、その中で未だに生きているのは一割にも満たなかった。 老齢のためにんっしんっする体力もなく、余生をゆっくりと過ごそうとした二匹の前に現れたのが彼女たちである。 種族は違えど同じゆっくり。夫婦は快く受け入れた。 それからは幸せな毎日だった。年老いている分、豊富な知識を持つ親は、何が危険で何がゆっくりできるのかをキチンと教えてくれた。 近所のゆっくり達とは仲良くなれた。痩せほそり、髪も飾りもボロボロだったが今では近所で一番の美ゆっくりになった。 姉妹達は心の底から夫婦を愛し、感謝した。そして何とか自分たちで二人を喜ばせないか。考えに考えた結果がプレゼントである。 何かゆっくりできるものをプレゼントしよう。そう考えた姉妹たちは朝早くこっそりとおうちを出た。 二人には事前に朝から遊びに行ってくると言ってある。そして二手に分かれることにした。れいむ側がありすへのプレゼント まりさ側がちぇんへのプレゼントを探す事に決めた。 こちらは川にへ向かったまりさ達。二匹は、さっそく小川に来た。 朝の陽ざしが水面で反射して辺りを照らしてた。その美しい光景に二匹はしばしゆっくりとしてしまった。 「ゆっくりできるね・・・」 「ゆぅ・・・そうだね。」 ぼぉーっとしていた二匹だが、やっと自分たちの目的を思い出したのか、ビクンと跳ねた。 「ゆゆ! ゆっくりしてるばあいじゃないよ! おさかなさんをゆっくりとるよ!」 「ゆっくりわかったよまりさおねーちゃん! おさかなさんをゆっくりさがすね!」 彼女らの目的は魚である。ちぇん種は甘いものの他に魚も好きだ。しかし水への耐性がほとんど無いゆっくりにとって 魚は夢のまた夢である。ちぇん自身、ずっと昔に知り合いのまりさに取ってもらった一匹だけしか食べたことがないという。 その話を聞いた二匹は魚を取ってきてゆっくりしてもらおうと思ったのだ。 二人はさっそく、川岸から水の中を覗いた。ちょうど川の中流に位置する場所なので、多少なりとは小魚も居た。 ただし流石にゆっくりが川岸から覗ける範囲には居なかった。 「ゆゆ・・・いないねまりさおねーちゃん。」 「ゆ~ん。もっとおくのほうにいるんだねきっと! まりさがさきにさがすから、いもうとはゆっくりまっててね!」 「ゆっくりりかいしたよ! がんばってねまりさおねーちゃん!」 応援のつもりなのだろう。すりすりと次女まりさのほっぺに自分のほっぺをすりつける三女まりさ。 それを嬉しそうに受け入れた次女まりさは、水面に自分の帽子を浮かべると、帽子の中に入れていた木の棒を口で掴み ピョンと帽子の中へ飛び乗った。それから木の棒を水の中へ入れると、器用に動かして川の真ん中へ進みだした。 「ゆっこらせ! ゆっこらせ!」 ゆっくりにしてみれば川渡りは重労働である。時には川の流れに逆らい、時には激流に身を任せながら進まなければならないのだ。 それでもまりさは一生懸命漕いでいた。さらに水の中を覗く事も忘れない。 「ゆゆ~おさかなさんいないよ・・・こっちにいるのかな?」 そういって大きく右へ動きだす次女まりさ。 結局、10分ほど探しても小魚一匹見つからなった。陸へ戻ったまりさは、 用意されていた葉っぱの上に帽子を置くと、「ふぅー! ふぅー! ゆっくりかわいてね!」 と言いながら息を吹きかけていた。 「つぎはまりさがさがすよ! ちょっとむこうのほうをさがすね!」 そういって三女まりさは上流の方へ少し向かった。 「ゆっくりここでみてるよ! おねーちゃんのみえないところにいかないでね!」 「ゆっくりりかいしたよ!」 三女まりさはやる気満々といった感じだった。その後ろ姿に次女まりさは頼もしさを覚えた。 三女まりさが魚を探している時だった。不意に後ろから誰かがやってきたのに気づいた。 ガサゴソと草むらから何かが出てきた。 ピョコンと出てきたそれは・・・話だけは聞いたことがある"天敵"だった。 「れ・・・れみりゃだあああああああああ!!!!!!」 幼女体系の不思議なゆっくり。れみりゃだった。同時にれみりゃは他のゆっくりを主食にする 所謂『捕食種』と言われる種類のゆっくりだった。しかしまりさにとっては予想外の登場だった。 そもそもれみりゃはこんな朝早くに動かない。それにこの辺りにはれみりゃは住み着いていなかった。 この辺りは最近何故かゆっくりの数が減っていた。れみりゃも例外ではない。 もうこの辺りでは見かけないと思っていた。 「うっう~♪ あまあまをみつけだどぉ~♪ れみりゃはこううんなおぜうさまだどぉ~♪」 ぷりぷりとお尻を振り、奇妙な腰の動きをしながら喜ぶれみりゃ。 まりさはこの状況を一体どうやって乗り切ろうか考えていた。 川に逃げ込むか・・・いやれみりゃはゆっくりとだが空を飛べる。 ならば正面突破で逃げるか・・・それも難しいだろう。 いっそ戦うか・・・一匹でれみりゃに勝てるとは思えない。 比較的頭の回転が早いまりさは既に結論を出していた。自分はこのまま食べられるだろうと。 なら次に何をするかも分かっていた。れみりゃが妹に気付かないように自分が囮になるのだと。 ちらりと妹の方を見た。ちょうど陸に下りたところらしく、こちらを見てガクガクと震えていた。 まりさはすぐさま下流の方へと逃げだそうとした。しかしここでまた思いも寄らない事態が起こった。 「うー! こっちにもあまあまがいたー! おねーさまはとろいー!」 なんとふらんが居たのだ。しかもよりにもよって妹が居る方から出てきた。 れみりゃ以上のパワーと残虐性を持つふらんだ。勿論妹を逃すはずもなく、がっしりと掴んでいた。 「いじゃいよ! ゆっくじやべでね! ばりざをはなじでね!」 「や゛べ゛でえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!」 強力な力で握られ、今にも潰れそうな妹を見たまりさは無意識のうちにふらんの元へ駈け出して行った。 しかし妹の元へは辿りつけなかった。 「ゆべぇ!」 上から何かの力で押しつぶされたまりさ。それは確認するまでもなく、れみりゃの手であった。 「にげちゃだめなんだぉ~♪ あまあまはまぁんまぁへの"ぷれぜんと"なんだどぉ~♪」 ぎゅっぎゅとリズミカルに握った手に力を込めるれみりゃ。それはまりさにとっては死にそうなほどに辛いものだった。 「ゆぎゃあ! いぎゃい! やべでね! ばりざはいいがらいぼうどはだづげぎゃ! ば・・・ばりざはぶれぜんゆぎぃ!」 「うっうー♪」というれみりゃの楽しそうな声とまりさの悲痛な叫び。相反する声が交互に響いた。 「ばりざお゛ね゛ーじゃああああああああんん!!! ゆっぐじやべであげでええええええええ!!!!」 妹は耐えきれず叫び出す。妹を掴んでいるふらんはそれが気に食わなかった。 「うー! うるさい! しずかにー!」 妹を持っている手とは逆に左手で、人間でいうならばこめかみの部分を万力の様に押しつぶした。 「いぎぃいいいいいいいい!!!!! あじゃまがつぶれじゃうううううう!!!!」 押しつぶさないように力を加減しながらも、ゆっくりと力を込めるふらん。徐々に力を失っていくまりさに興奮していたが 「う~♪ こらふらん! ゆっくりしないではやくかえるんだどぉ~♪」 今の今まで遊んでいたれみりゃがそんな事を言ってきた。手の中のまりさの様子を見るに 大方まりさが気絶したからだろう。 「うー! あそんでたのはおねーさま! ふらんまじめだった!」 文句を言いつつ二匹は帰路に付く事にした。 手には気絶したまりさ達を掴み、小さな羽を動かして空へと飛んで行った。 一方、森の方へと向かったれいむ達一向。 野生の動物に注意しつつ、れいむ達が向かったのは秘密のスポットだった。 「ゆゆ! ついたよ! すごくゆっくりできるおはなさんたちだね!」 「「ゆっくりできりゅね!」」 「ゆゆ~♪ ここのおはなさんなら、とかいはなかんむりができるね!」 れいむ達の前に広がるのは一面真っ白の花畑だった。れいむ達は知らなかったがそれはシロツメクサと呼ばれる花だった。 そしてこの場所はれいむ達以外誰も知らない秘密のゆっくりプレイスなのだ。 「ゆっくりおはなさんをあつめるよ! しろいおはなさんをあつめてねね!」 「「「ゆっゆっゆー!」」」 早速、花を集める事にしたれいむ達。 「おはなさんごめんね! とかいはなかんむりにするからね!」 そういってブチっと花を抜いていく切り落とすれいむ達。 れいむ達が作ろうとしているのは花の冠だ。ありすが『とかいは』を重視しているのはれいむ達も知っていた。 親のありすは老齢のためかもう気にしてないようだったが、もう一度『とかいは』になってほしいと思ったのだ。 ある程度花を集めたれいむ達は、次にそれらを束ねて結ぶ作業に入ろうとしたその時だった。 「やあ、ゆっくりしてるかい?」 誰かの声が聞こえた。ゆっくりの本能により、声のする方を向いて返事を返した。 「「ゆっくりしていってね!!!」」 「「ゆっきゅりちていっちぇね!」」 そこに立っていたのは自分たちよりも何倍も大きい生き物。人間だった。 長女れいむは一瞬戸惑った。親たちからはできる限り、人間に関わらないように言われていたからだ。 良い人間も悪い人間も居るが、悪い人間に捕まったらゆっくりできなくなってしまう。 良い人間に捕まってもどうなるかわからなからだと。 長女れいむが悩んでいると、男はさらに話を続けた。 「君たちは何をしているんだい?」 「おきゃーしゃんたちにぷれじぇんちょをちゅくっちぇるんだよ!」 「プレゼント?」 「そうだよ! おはなさんのかんむりをつくっておかーさんにあげるんだよ!」 「ふーんそうなのか。そのお花で冠を作るんだね? なかなか綺麗な冠になりそうだね。」 「ほめてもいいのよ!」 「ゆっへん!」 男が妹たちと他愛もない話をしているのを見て、長女れいむは安心した。 「僕はここでちょっとゆっくりしにきたんだ。ゆっくりやすんでもいいかな? じゃまはしないから。」 「「ゆっくちやちゅんでねおにーしゃん!」」 言った通りにゴロゴロと男は寝っ転がった。その様子を気にせず、四匹は冠の作成に取り掛かった。 花を束ねて結ぶ作業は難航していた。ゆっくりが細かい作業で使える部分は如何せん口だけなのだ。 「ゆぐっし! ゆっくりむすんだよ!」 「だめだよ! ほどけてるよ!」 そんな会話が何回か続いたころ。男はまた話しかけてきた。 「結ぶの手伝ってあげようか?」 「ゆ? でもおにーさんゆっくりしてるんでしょ?」 「れいむたちがゆっくりできないのは困るからね。」 そう言って立ち上がると、周りから適当に何かを摘み取った男は、花の束を結び始めた。 「束ねるのには、このクローバーの茎がいいんだよ。はい。」 男はあっという間に冠を完成させた。れいむ達はドスでも見たかなのように冠を崇めていた。 「とてもきれいでゆっくりしてるかんむりだよ!」 「とっちぇもきれいだねおねーしゃん!」 「きっとしゅっぎょくときゃいはだよ!」 長女れいむもこの出来栄えには感動していた。そして男の方を向くと 「みんな! おにーさんにゆっくりおれいをいってね。いっせーので!」 「「「「ありがとうおにーさん(しゃん)!!!」」」」 心からのお礼であった。男はお礼の言葉を受け取ると、ぶつぶつと何かを言い始めた。口元はニヤリと笑っていた。 「いや、お礼なんていらないしな・・・だってねえ。いやホント・・・ふっふはは・・・いやだってこれからさあ・・・」 「ゆゆ? どうしたのおにーさん? ぽんぽんがいたいの?」 心配そうに男の顔を覗きこんだ四女れいむ。男はそれに気付くと独り言をやめた。 「ああ大丈夫さ。それより頼みがあるんだ。僕もその冠を受け取ったお母さんの笑顔が見たくてね。ちょっとお家まで付いて行っていいかな?」 「ゆゆ・・・わかったよおにーさん! ゆっくりついてきてね!」 「ゆっくちついちぇきちぇね!」 ゆっくりのゆっくりとした速度に合わせて男は動きだした。二匹の赤ん坊は四女れいむいの口の中に収まっていた。 そしてちょうど空き小屋の前で立ち止まるれいむ達。 「ここでいもうとのまりさたちとまちあわせしてるんだよ! わるいけどゆっくりまってねおにーさん!」 長女れいむがそう言うと、男は少し悩んでいるような表情を見せた。 「んー待つのか・・・でもまりさはそんなすきじゃないしな・・・」 そしてブツクサと何か喋っていたが、ふと思い出したかのように長女れいむに質問した。 「おうちはここから遠いのかい?」 「ゆゆ! あのおおきなきのしただよ!」 四女れいむが顔で差した方向を見ると、200m程先に、一際大きな木が一本そびえ立っていた。 木の根元にはやたら土や石が置いてある。どうやら木の下に巣を作っているらしい。 「ああ、あの木の下か。わかったよ。んじゃもういいや。」 四女れいむの頭がぐにゃりと潰れた。 「ゆぎぃ!」 四女れいむは何が起こったかわからなかった。ただ頭に酷い痛みを感じた。 その後、自分の口の中が何故か甘い事に気づいた。何故だろう。何か食べた訳でもないし、口の中には何も入れて・・・・・ 「でいぶのいぼうどがああああああああああああ!!!!!」 長女れいむの叫びと、四女れいむが口の中の物を吐き出すのは同時だった。長女は既に気づいていたのだ。 自分の妹が潰れていることに。 四女れいむは自分の口から出た"それ"から思わず目を逸らそうとした。しかしできるはずがなかった。 たとえ餡子が全て出て、皮だけになった姿になっていたとしても、それは自分が殺した妹なのだから。 「あがじゃ・・・あがじゃん・・・ご、ごべんね。ごべんね。ごご、ごべんなざああああああいいいいい!!!!」 ゆっくりとは思えぬほどの苦痛に満ちた顔で泣き叫ぶ四女れいむ。男はそれを上から見下ろしていた。 そしてそのまま四女れいむをひっくりかえした。 「ゆゆ! はなじでね! ゆっぐりでぎないおにーざんはゆるざないよ!」 「れいむにいもうとにふれないでね! おにーさんはここでゆっくりさせなくするよ!」 長女の渾身の体当たりも当たらなければ意味がなかった。男は勢いあまって転んだ長女を四女の隣に置くと 同じようにひっくり返した。 「ゆゆ! あんよがういてるよ! あたまがいだくでゆっぐりでぎないいいいい!!!!」 野生の中では滅多にならない体勢に戸惑う二匹。その二匹の底部、ゆっくり曰く『あんよ』との事だが その部分を男は思いっきり踏みつけた。 「いぎゃああああああああ!!!!!」 「ゆっぐじざぜでええええ!!!!」 気にせずグリグリと力を込める男。そのたびに叫び出す二匹。その声を聞くたびに男は品のない笑い声をあげた。 「ひ・・・ひひひひゃ!ひゃひゃっひひひひひひ!!!ひゃひひいいひいっひひひひ!!!」 ゆっくりの目から見てもこの男の笑い方は異常だった。何かを堪えながらかのような笑い方。しかし男は既に何も堪えてはないので これが素の笑い方だった。 足の力はどんどん強くなっていく。グリグリとすり潰すかのような動き。それにより二匹の底の皮はボロボロになっていた。 「あんよが! いじゃい! やべでね!」 「どうじでごんなひどいごどずるのおおお!!!」 「物は相談なのだが、ここいらでちょいと我慢大会しようぜ。」 「ゆ゛、ゆ゛ぐう゛?」 二匹は男へ憎悪の視線を送りつつ、話の続きを待った。 「これでどっちかが死んだら、残りは助けるという事にしようかなと。」 二匹は顔を見合わせる。それはつまりどちらかに死ねということだ。 長女れいむは考えた。生涯においてこれ以上はないと思えるほどに。 そして四女の怯えた目を見て決意した。 「くそじじい! ゆっくりれいむをはなしてね! そしてたくさんおかしをもってきてゆっくりしないでしんでね!!! なにぼけっとしてるの? ばかなの? しぬの? このかわいいれいむのためにはたらけるなんてありがたいとおもってね!!!」 四女は耳を疑った。自分の姉はこんな酷い事を平気で言う姉ではなかったのに何故なのかと? しかし男には長女の意図がわかったようだ。 ニヤリとまた嫌な笑みを口に浮かべると、"四女"れいむの足の力を強めた。 「あんよがやぶけでるうううううううう!!!!! やべでええええええ!!!」 「どうじでぞっぜなのおおおおおおおお!!!! いだいごどはでいぶにじでえええええええええ!!!! くぞじじいはゆっぐじじねえええええええええええええええええ!!!!! でいぶにざわっだんだからいちばんえんばらえええええ!!!!」 予想外の事に驚きを隠せないのか、必死にこちらを挑発してくる長女れいむ。 簡単な話だ。長女は男を怒らせて自分を殺すように仕向けたのだ。妹を助けるために。 四女はここにきてようやくそれを理解した。すると 「でいぶがごんなのぜんじぇんいじゃぐないよおおおおおおお!!! ばかなじじいのごうげきなんででびりゃいがだよおおおおおお!!!!」 今度は四女が挑発し始めた。男はそれを聞くと今度は長女れいむの方の足の力を強める。 「どうじでなのおおおおおおおお!!! ばがなのおおおおおおお!!!!」 男はこの光景にちょっぴり感動した。 「いや美しいね。まさに姉妹愛。感動ものだなこれは。」 男に踏まれている二匹の挑発はどんどんとエスカレートしていった。そして最終的にはお互いを罵倒しあっていた。 「どうじでべいぎなふり゛じでるのお゛お゛お゛お゛!!!! ばぎゃなおねーじゃんは゛どっどどじゃべるのやばでねえ゛え゛え゛!!!」 「いぼうどのぐぜに゛なばいぎいわ゛な゛い゛でえ゛え゛え゛!!! ゆっぐじでぎないいぼうどはどっどどどっがいっでねえ゛え゛え!!!」 「うるざいんだよおおおおおおお!!!! どうじでじゃべっじゃうのおおおおおおお!!!!」 「いいがら゛だばっでねええええ!!!! だばら゛ないどじんじゃうんだよおおおおお!!!!」 お互い相手を助けるための罵倒。涙も枯れ果ててるのにまだやってる。 「ん~素晴らしい姉妹に敬礼!」 そういって男は両足の力を緩めた。 「「ゆ?」」 助かったのかな?そんな表情を一瞬見せた二匹。 そして次の言葉も同時だった。 「「ゆぎィい゛い゛い゛い゛!!」」 同時に体を潰された二匹。男はそれらには興味を示さず、キョロキョロと辺りを見回す。 そして花の冠が無事な事を確認すると。4匹の遺体を手元に集めた。 「こんにちはー。だれかいますかー?」 木の下の穴に向かってそう叫ぶ男。すると中からちぇんが顔半分だけ出してきた。 「にんげんさんなんだねー。わからないよー。なんのようなのー?」 明らかにこちらを警戒していた。ちぇんは非常に素早い。この位置では手を伸ばす前に奥に逃げられるのは確実だ。 って待てよ?確か兄弟はれいむとまりさのはず。なんでちぇんが親なんだ?さらに耳を澄ますと、穴の奥から 「どうしたのちぇん? だれかきたのかしら?」といった声が聞こえる。おそらくありすだろう。 一応確かめてみるか。 「お二人のお子さんからプレゼントの配達を頼まれたのですが、え・・・れいむとまりさの親御さんで間違いないですかね?」 「そうだよー! れいむとまりさはちぇんとありすのこどもなんだよー!」 どうやら本当らしい。拾った子なのだろう。なら問題あるまい。 「そうですか、ではまずこの花飾りを貴方に。」 そういってちぇんの頭に花飾りを被せてあげた。 「わかるよー! とてもゆっくりできるかざりなんだよー! うれしいんだよー!」 尻尾をぶるんぶるん振り回して喜ぶちぇん。巣穴から出てきたありすもそれを見て嬉しそうだ。 「とってもとかいはなかんむりね! ありすもうれしいわ!」 「実はもうひとつあるのですが。こちらですありすさん。」 そういって俺は後ろに置いてあった物をありすの顔に被せてあげた。 「都会では有名な顔パックですよ。」 潰れた子供たちの皮で出来た文字通りの顔パック。きちんと眼と口があった部分が残っているので付けたまま喋れます。 道具もなしで作った割には中々の出来栄えである。 ありすはと言うと。 「え? え?どうじでこどもだぢのがおが・・・がおが? がおが? がっががおおおおがおがああああああ!!!!!!!! どうじでじんでののおおおおおおおおおおおお!!!!」 クリームを口から滝のように噴出して倒れていった。長くはないだろう。 「わがらないよおおおおおおおおおお!!!!! わがらないよおおおおおおおおお!!!!」 オロオロとするちぇんがどこかへ走り去っていくのを見届けて、俺は家に帰ることにした。 本当の目的である、とあるゆっくりの巣を探す事をすっかり忘れて。 【おまけ】 れみりゃとふらんは仲良く手をつないで空を飛んでいた。 空いてる手にはそれぞれまりさを一匹ずつ乗せていた。 今日は初めて狩りに出かけた記念すべき日だ。それと同時にこの森にいる最後の日でもある。 最近何故か森のあまあまが減ったために、他の森に行こうとみゃみゃは言った。 生まれ育った森を去るのは寂しいが、まぁんまぁと一緒ならどこにでもいける。 最後の記念にと二匹は初めて狩りに出かけることにした。そして幸運にもまりさを捕まえたのだ。 これをまぁんまぁに"ぷれぜんと"して喜んで貰おう。今からまぁんまぁに褒められるのが楽しみで仕方ない二匹だった。 「うっう~♪ みゃんみゃはきっとれみりゃたちのかり☆すまにおどろくどぉ~♪」 「うー! うー!」 そして我が家に帰宅した二匹 素早くお家である洞窟に入ると 「「まぁんまぁー!」」 ドタドタとおうちの奥へ入っていった。そこで何か大きな物が動いていることに気づいた。 「むーしゃ! むーしゃ! しあわせー!」 「はじめてのかりなのにまりさはすごいんだぜ!」 「これはおかーさんたちの分にするね!」 「ゆっくりわかったよ! ドスのお帽子にいれておくね!」 その大きな後ろ姿には身に覚えがあった。今自分たちが持っているあまあま。まりさだ。 しかし知っているものよりそれは遥かに大きかった。 「う~♪ おおきなあまあまがいるどぉ~♪ たーべちゃうぞー!」 自分たちよりも大きいそれを見ても、れみりゃはまるで危機感を抱かなかった。 あまつさえそのままガブリと噛みつく。噛みつかれたまりさは、ピクリと反応して後ろを振り向いた。 「もう~なんなのー? 今ゆっくり食事中なんだよ~」 「うー! いいかられみりゃたちにたべら・・・う~?」 それはドスまりさと呼ばれる個体だった。そして今ドスの口から出ている足。 それに二匹は見覚えがあった。そしておそるおそるドスの後ろを見る。 手があった。足があった。首があった。胴体があった。全部バラバラだった。何故か胴体をむしゃくしゃとあまあまが食べていた。 苦しそうな顔の首があった。こちらを見ていた。視線があった。 「「まぁ・・・ばぁんばぁああああああ!!!!」 手に持っていた饅頭を地面に落して、ドコドコと全速力で母親の元へ駆け寄ろうとする二匹。 しかしそれをドスは許さなかった。ドスはぴょんと少しだけ跳ねながら二匹にぶつかった。 「いぎゃいどぉー!!! ざぐやああああ!!!! びゃんびゃああああああああ!!!!」 「うううううう!!! ゆっぐじじんで! ゆっぐじじんでぇ!」 壁にぶつかり涙目になっている二匹を見たドスまりさは。 「ゆゆ! ちょうどいいね! ゆっくり育てるよ! かこうじょいきだね!」 後ろのゆっくり達も賛同する。 「ゆっくりそだててにくまんとあんまんをそだててもらうんだね!」 「たのしみだね!」 「むきゅん! ようしょくっていうのよ!」 「それじゃあ、おくちのなかにゆっくりはいってね!!!」 そういうと、パクリと二匹を口の中に入れたドスまりさ。二匹は唾液と肉の匂いが充満する口の中に押し込められた。 「ぐじゃいいいいいいいいい!!!! ぜばいいいいいい!!!!」 「ごべんなざああああいいいいい!!!! でびりゃだぢがわるがっだでずうううううう!!!」 「ドス! ゆっくりかえろうね!」 ドスは頷くと、のそのそと洞窟の外へ出て行った。 その際に下に居たまりさ達には気づかなかったらしい。ぶちゅりと言う音は誰にも聞こえなかった。 【あとがき】 ドスがオチ担当・・・誰かHENTAIしてくれる紳士はいませんかー! by バスケの人 このSSに感想を付ける
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前へ 先頭ページ 次へ インターバトル1「プレゼント」 「うっそだろ。なんで、どノーマルなのにそんなに強いんだよォ!?」 相手神姫のオーナーが悲痛に叫ぶ。 可能な限り装備を取り付け禍々しい形になっていた相手神姫、忍者型MMSフブキは、レールガンの直撃でデッド判定を受け、ポリゴンの塵となって消滅した。 『対戦終了。Winner,マイティ』 ジャッジAIが勝った神姫の名前を挙げ、そうしてバーチャル接続は解除された。 「マスター!!」 アクセスポッドから出てきて一番、天使型MMSアーンヴァル『マイティ』は、自らのマスターに抱きついた。 「いい戦いだった」 マスターはマイティの頭を人差し指でこしょこしょとなでる。マイティはこれが好きだった。 「ランクが規定値を越えましたよ。これでセカンドリーグに出られますね」 「そうだな……」 ふふ、とマスターが微笑む。影の見える微笑。 「どうしたんですか?」 めざとく見つけるマイティ。もう長い付き合いになるからな、とマスターは思った。 「いや……」 「あの、片足のストラーフのことですか」 お前はどうしてそう的確に図星を突くのか。マスターは頭を掻いた。銃器類に対する高い命中適正が売りのアーンヴァルらしいといえばらしいのだが。 「やっぱり、気になるんですね」 「不思議とな。彼らのことは妙に引っかかる」 マスターはコートを羽織り、バッグを提げた。そろそろ本格的に寒くなる季節である。神姫は温度は感じても寒いからどうということはないのだが、マスターは相棒を胸のポケットへ潜らせた。 「あったかいです」 「そいつはどうも」 そのままセンターを出る。今や対戦センターはサードリーグならコンビニ並に建っていた。 「セカンドのバトルをする時は、この辺だと二駅もまたがなければならないな」 「あのストラーフは、やっぱりセカンド以上なんでしょうね」 「サードのネットワークでは見たことが無いからな。あの時はたまたまサードの大会で 戦ってみようとしていたのか、あるいはあの後セカンドに上がったのか。……怖いか」 「少し。でも、わくわくしてもいるんです」 マイティはあの片足の悪魔と、もう一度戦ってみたかった。なぜだかは知らない。彼女のことを思い出すと、神姫の闘争本能プログラムが変に活性化するのだった。 「今日はセカンド昇格記念だな」 「えっ?」 突然そう言われて、マイティはきょとんとした。 「好きなものを買ってやるよ」 「本当に!?」 「ああ」 「それじゃあ……」 ふふ、とマイティは、マスターと同じように笑った。こちらは影は無いが。 「前から欲しかったものがあるんです」 とあるテストコース。一台の黒いバイク、V-MAXが爆音を上げて賭けてゆく。 しかし乗っているのは間違いなくマイティだった。フルフェイスのヘルメットを被っている。 そう、V-MAXは1/12サイズのミニチュアエンジン付モデル。テストコースもラジコン用のミニサイズである。が、もともとが広大であるため1/12に縮小されたとしても、人が普通に走れるような広さである。 倉庫を改装した行きつけのショップのコースでテスト走行をしているのである。 「まさかバイクを欲しがられるとは思わなかった」 マスターはギャラリー席から、颯爽と駆け抜けるマイティを見ながら言った。 「俺も、バイクを欲しがる神姫は初めて見ましたよ」 隣でV-MAXの調整をした店長が苦笑する。 甲高いミニチュアエンジンの音は、その燃料が切れるまで続いていた。 了 前へ 先頭ページ 次へ
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まだ夜が明けたばかりの森。朝日が山々を美しく照らしていた。 そして森には珍しい生き物がいた。 いや正確に言えばその生き物自体は珍しくもない。問題はその生き物がこの時間帯に行動している事だ。 生き物の名前はゆっくりれいむとゆっくりまりさ。大小合わせて6匹。 正確な数は子供のれいむとまりさがそれぞれ2匹ずつ。後は赤ちゃんれいむが2匹。 6匹は歌いながら朝日が眩しい森の中を跳ねていた。といっても赤ん坊のれいむ2匹は長女のれいむの口の中に入っているのだが。 「ゆっゆっゆっゆ~♪」 「ゆ~ゆ~ゆゆゆ~♪」 「ゆっくり~♪」 ゆっくり独特の音程の歌が森に響き渡る。朝の陽ざしを受けながらぴょこんぴょこんと生首が動き回る姿は かなりシュールである。 「ここでわかれようね! おひさまがしずむまえにゆっくりここにもどろうね!」 長女のれいむがそう言って立ち止まった。そこは近所のゆっくり達が集まるスポットだった。 いつからあるかわからない空き小屋である。元は人が住んでいたであろうそこは、今ではもっぱら子ゆっくり達の遊び場である。 「ゆゆ! そうだね! それじゃまりさたちはおがわにいってくるよ! おねーちゃんはあっちにいってね!」 「ゆっくりがんばってね!」 「ゆっくりがんばるよ!」 そう言うと次女のまりさと三女のまりさは川の方へ向かって言った。残ったれいむ達も森の奥へと向かい出した。 「ゆっくり"ぷれぜんと"をさがすよ! いもうとたちはゆっくりおくちにはいっててね!」 「「ゆっきゅりりかいちちゃよ!」」 「ゆっくりしないでいこうねおねーちゃん! はやくはやく!」 四女のれいむは待ちきれないのか駆け足で跳ねていく。 このれいむ達が朝早くから活動してるのはもちろん理由がある。彼女らは母親達のために"プレゼント"を探しにいったのだ。 彼女らと母親達は実の親子ではない。もっと言うと上の四匹と赤ゆっくり達も餡子は繋がっていない。 両親を事故で失い路頭に迷っていた彼女たちを拾ったのが、今の育ての親である ちぇんとありすの夫婦だった。この夫婦はかなりの高齢であり、今までにたくさんの子供を育ててきた。 しかし現実は厳しく、その中で未だに生きているのは一割にも満たなかった。 老齢のためにんっしんっする体力もなく、余生をゆっくりと過ごそうとした二匹の前に現れたのが彼女たちである。 種族は違えど同じゆっくり。夫婦は快く受け入れた。 それからは幸せな毎日だった。年老いている分、豊富な知識を持つ親は、何が危険で何がゆっくりできるのかをキチンと教えてくれた。 近所のゆっくり達とは仲良くなれた。痩せほそり、髪も飾りもボロボロだったが今では近所で一番の美ゆっくりになった。 姉妹達は心の底から夫婦を愛し、感謝した。そして何とか自分たちで二人を喜ばせないか。考えに考えた結果がプレゼントである。 何かゆっくりできるものをプレゼントしよう。そう考えた姉妹たちは朝早くこっそりとおうちを出た。 二人には事前に朝から遊びに行ってくると言ってある。そして二手に分かれることにした。れいむ側がありすへのプレゼント まりさ側がちぇんへのプレゼントを探す事に決めた。 こちらは川にへ向かったまりさ達。二匹は、さっそく小川に来た。 朝の陽ざしが水面で反射して辺りを照らしてた。その美しい光景に二匹はしばしゆっくりとしてしまった。 「ゆっくりできるね・・・」 「ゆぅ・・・そうだね。」 ぼぉーっとしていた二匹だが、やっと自分たちの目的を思い出したのか、ビクンと跳ねた。 「ゆゆ! ゆっくりしてるばあいじゃないよ! おさかなさんをゆっくりとるよ!」 「ゆっくりわかったよまりさおねーちゃん! おさかなさんをゆっくりさがすね!」 彼女らの目的は魚である。ちぇん種は甘いものの他に魚も好きだ。しかし水への耐性がほとんど無いゆっくりにとって 魚は夢のまた夢である。ちぇん自身、ずっと昔に知り合いのまりさに取ってもらった一匹だけしか食べたことがないという。 その話を聞いた二匹は魚を取ってきてゆっくりしてもらおうと思ったのだ。 二人はさっそく、川岸から水の中を覗いた。ちょうど川の中流に位置する場所なので、多少なりとは小魚も居た。 ただし流石にゆっくりが川岸から覗ける範囲には居なかった。 「ゆゆ・・・いないねまりさおねーちゃん。」 「ゆ~ん。もっとおくのほうにいるんだねきっと! まりさがさきにさがすから、いもうとはゆっくりまっててね!」 「ゆっくりりかいしたよ! がんばってねまりさおねーちゃん!」 応援のつもりなのだろう。すりすりと次女まりさのほっぺに自分のほっぺをすりつける三女まりさ。 それを嬉しそうに受け入れた次女まりさは、水面に自分の帽子を浮かべると、帽子の中に入れていた木の棒を口で掴み ピョンと帽子の中へ飛び乗った。それから木の棒を水の中へ入れると、器用に動かして川の真ん中へ進みだした。 「ゆっこらせ! ゆっこらせ!」 ゆっくりにしてみれば川渡りは重労働である。時には川の流れに逆らい、時には激流に身を任せながら進まなければならないのだ。 それでもまりさは一生懸命漕いでいた。さらに水の中を覗く事も忘れない。 「ゆゆ~おさかなさんいないよ・・・こっちにいるのかな?」 そういって大きく右へ動きだす次女まりさ。 結局、10分ほど探しても小魚一匹見つからなった。陸へ戻ったまりさは、 用意されていた葉っぱの上に帽子を置くと、「ふぅー! ふぅー! ゆっくりかわいてね!」 と言いながら息を吹きかけていた。 「つぎはまりさがさがすよ! ちょっとむこうのほうをさがすね!」 そういって三女まりさは上流の方へ少し向かった。 「ゆっくりここでみてるよ! おねーちゃんのみえないところにいかないでね!」 「ゆっくりりかいしたよ!」 三女まりさはやる気満々といった感じだった。その後ろ姿に次女まりさは頼もしさを覚えた。 三女まりさが魚を探している時だった。不意に後ろから誰かがやってきたのに気づいた。 ガサゴソと草むらから何かが出てきた。 ピョコンと出てきたそれは・・・話だけは聞いたことがある"天敵"だった。 「れ・・・れみりゃだあああああああああ!!!!!!」 幼女体系の不思議なゆっくり。れみりゃだった。同時にれみりゃは他のゆっくりを主食にする 所謂『捕食種』と言われる種類のゆっくりだった。しかしまりさにとっては予想外の登場だった。 そもそもれみりゃはこんな朝早くに動かない。それにこの辺りにはれみりゃは住み着いていなかった。 この辺りは最近何故かゆっくりの数が減っていた。れみりゃも例外ではない。 もうこの辺りでは見かけないと思っていた。 「うっう~♪ あまあまをみつけだどぉ~♪ れみりゃはこううんなおぜうさまだどぉ~♪」 ぷりぷりとお尻を振り、奇妙な腰の動きをしながら喜ぶれみりゃ。 まりさはこの状況を一体どうやって乗り切ろうか考えていた。 川に逃げ込むか・・・いやれみりゃはゆっくりとだが空を飛べる。 ならば正面突破で逃げるか・・・それも難しいだろう。 いっそ戦うか・・・一匹でれみりゃに勝てるとは思えない。 比較的頭の回転が早いまりさは既に結論を出していた。自分はこのまま食べられるだろうと。 なら次に何をするかも分かっていた。れみりゃが妹に気付かないように自分が囮になるのだと。 ちらりと妹の方を見た。ちょうど陸に下りたところらしく、こちらを見てガクガクと震えていた。 まりさはすぐさま下流の方へと逃げだそうとした。しかしここでまた思いも寄らない事態が起こった。 「うー! こっちにもあまあまがいたー! おねーさまはとろいー!」 なんとふらんが居たのだ。しかもよりにもよって妹が居る方から出てきた。 れみりゃ以上のパワーと残虐性を持つふらんだ。勿論妹を逃すはずもなく、がっしりと掴んでいた。 「いじゃいよ! ゆっくじやべでね! ばりざをはなじでね!」 「や゛べ゛でえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!」 強力な力で握られ、今にも潰れそうな妹を見たまりさは無意識のうちにふらんの元へ駈け出して行った。 しかし妹の元へは辿りつけなかった。 「ゆべぇ!」 上から何かの力で押しつぶされたまりさ。それは確認するまでもなく、れみりゃの手であった。 「にげちゃだめなんだぉ~♪ あまあまはまぁんまぁへの"ぷれぜんと"なんだどぉ~♪」 ぎゅっぎゅとリズミカルに握った手に力を込めるれみりゃ。それはまりさにとっては死にそうなほどに辛いものだった。 「ゆぎゃあ! いぎゃい! やべでね! ばりざはいいがらいぼうどはだづげぎゃ! ば・・・ばりざはぶれぜんゆぎぃ!」 「うっうー♪」というれみりゃの楽しそうな声とまりさの悲痛な叫び。相反する声が交互に響いた。 「ばりざお゛ね゛ーじゃああああああああんん!!! ゆっぐじやべであげでええええええええ!!!!」 妹は耐えきれず叫び出す。妹を掴んでいるふらんはそれが気に食わなかった。 「うー! うるさい! しずかにー!」 妹を持っている手とは逆に左手で、人間でいうならばこめかみの部分を万力の様に押しつぶした。 「いぎぃいいいいいいいい!!!!! あじゃまがつぶれじゃうううううう!!!!」 押しつぶさないように力を加減しながらも、ゆっくりと力を込めるふらん。徐々に力を失っていくまりさに興奮していたが 「う~♪ こらふらん! ゆっくりしないではやくかえるんだどぉ~♪」 今の今まで遊んでいたれみりゃがそんな事を言ってきた。手の中のまりさの様子を見るに 大方まりさが気絶したからだろう。 「うー! あそんでたのはおねーさま! ふらんまじめだった!」 文句を言いつつ二匹は帰路に付く事にした。 手には気絶したまりさ達を掴み、小さな羽を動かして空へと飛んで行った。 一方、森の方へと向かったれいむ達一向。 野生の動物に注意しつつ、れいむ達が向かったのは秘密のスポットだった。 「ゆゆ! ついたよ! すごくゆっくりできるおはなさんたちだね!」 「「ゆっくりできりゅね!」」 「ゆゆ~♪ ここのおはなさんなら、とかいはなかんむりができるね!」 れいむ達の前に広がるのは一面真っ白の花畑だった。れいむ達は知らなかったがそれはシロツメクサと呼ばれる花だった。 そしてこの場所はれいむ達以外誰も知らない秘密のゆっくりプレイスなのだ。 「ゆっくりおはなさんをあつめるよ! しろいおはなさんをあつめてねね!」 「「「ゆっゆっゆー!」」」 早速、花を集める事にしたれいむ達。 「おはなさんごめんね! とかいはなかんむりにするからね!」 そういってブチっと花を抜いていく切り落とすれいむ達。 れいむ達が作ろうとしているのは花の冠だ。ありすが『とかいは』を重視しているのはれいむ達も知っていた。 親のありすは老齢のためかもう気にしてないようだったが、もう一度『とかいは』になってほしいと思ったのだ。 ある程度花を集めたれいむ達は、次にそれらを束ねて結ぶ作業に入ろうとしたその時だった。 「やあ、ゆっくりしてるかい?」 誰かの声が聞こえた。ゆっくりの本能により、声のする方を向いて返事を返した。 「「ゆっくりしていってね!!!」」 「「ゆっきゅりちていっちぇね!」」 そこに立っていたのは自分たちよりも何倍も大きい生き物。人間だった。 長女れいむは一瞬戸惑った。親たちからはできる限り、人間に関わらないように言われていたからだ。 良い人間も悪い人間も居るが、悪い人間に捕まったらゆっくりできなくなってしまう。 良い人間に捕まってもどうなるかわからなからだと。 長女れいむが悩んでいると、男はさらに話を続けた。 「君たちは何をしているんだい?」 「おきゃーしゃんたちにぷれじぇんちょをちゅくっちぇるんだよ!」 「プレゼント?」 「そうだよ! おはなさんのかんむりをつくっておかーさんにあげるんだよ!」 「ふーんそうなのか。そのお花で冠を作るんだね? なかなか綺麗な冠になりそうだね。」 「ほめてもいいのよ!」 「ゆっへん!」 男が妹たちと他愛もない話をしているのを見て、長女れいむは安心した。 「僕はここでちょっとゆっくりしにきたんだ。ゆっくりやすんでもいいかな? じゃまはしないから。」 「「ゆっくちやちゅんでねおにーしゃん!」」 言った通りにゴロゴロと男は寝っ転がった。その様子を気にせず、四匹は冠の作成に取り掛かった。 花を束ねて結ぶ作業は難航していた。ゆっくりが細かい作業で使える部分は如何せん口だけなのだ。 「ゆぐっし! ゆっくりむすんだよ!」 「だめだよ! ほどけてるよ!」 そんな会話が何回か続いたころ。男はまた話しかけてきた。 「結ぶの手伝ってあげようか?」 「ゆ? でもおにーさんゆっくりしてるんでしょ?」 「れいむたちがゆっくりできないのは困るからね。」 そう言って立ち上がると、周りから適当に何かを摘み取った男は、花の束を結び始めた。 「束ねるのには、このクローバーの茎がいいんだよ。はい。」 男はあっという間に冠を完成させた。れいむ達はドスでも見たかなのように冠を崇めていた。 「とてもきれいでゆっくりしてるかんむりだよ!」 「とっちぇもきれいだねおねーしゃん!」 「きっとしゅっぎょくときゃいはだよ!」 長女れいむもこの出来栄えには感動していた。そして男の方を向くと 「みんな! おにーさんにゆっくりおれいをいってね。いっせーので!」 「「「「ありがとうおにーさん(しゃん)!!!」」」」 心からのお礼であった。男はお礼の言葉を受け取ると、ぶつぶつと何かを言い始めた。口元はニヤリと笑っていた。 「いや、お礼なんていらないしな・・・だってねえ。いやホント・・・ふっふはは・・・いやだってこれからさあ・・・」 「ゆゆ? どうしたのおにーさん? ぽんぽんがいたいの?」 心配そうに男の顔を覗きこんだ四女れいむ。男はそれに気付くと独り言をやめた。 「ああ大丈夫さ。それより頼みがあるんだ。僕もその冠を受け取ったお母さんの笑顔が見たくてね。ちょっとお家まで付いて行っていいかな?」 「ゆゆ・・・わかったよおにーさん! ゆっくりついてきてね!」 「ゆっくちついちぇきちぇね!」 ゆっくりのゆっくりとした速度に合わせて男は動きだした。二匹の赤ん坊は四女れいむいの口の中に収まっていた。 そしてちょうど空き小屋の前で立ち止まるれいむ達。 「ここでいもうとのまりさたちとまちあわせしてるんだよ! わるいけどゆっくりまってねおにーさん!」 長女れいむがそう言うと、男は少し悩んでいるような表情を見せた。 「んー待つのか・・・でもまりさはそんなすきじゃないしな・・・」 そしてブツクサと何か喋っていたが、ふと思い出したかのように長女れいむに質問した。 「おうちはここから遠いのかい?」 「ゆゆ! あのおおきなきのしただよ!」 四女れいむが顔で差した方向を見ると、200m程先に、一際大きな木が一本そびえ立っていた。 木の根元にはやたら土や石が置いてある。どうやら木の下に巣を作っているらしい。 「ああ、あの木の下か。わかったよ。んじゃもういいや。」 四女れいむの頭がぐにゃりと潰れた。 「ゆぎぃ!」 四女れいむは何が起こったかわからなかった。ただ頭に酷い痛みを感じた。 その後、自分の口の中が何故か甘い事に気づいた。何故だろう。何か食べた訳でもないし、口の中には何も入れて・・・・・ 「でいぶのいぼうどがああああああああああああ!!!!!」 長女れいむの叫びと、四女れいむが口の中の物を吐き出すのは同時だった。長女は既に気づいていたのだ。 自分の妹が潰れていることに。 四女れいむは自分の口から出た"それ"から思わず目を逸らそうとした。しかしできるはずがなかった。 たとえ餡子が全て出て、皮だけになった姿になっていたとしても、それは自分が殺した妹なのだから。 「あがじゃ・・・あがじゃん・・・ご、ごべんね。ごべんね。ごご、ごべんなざああああああいいいいい!!!!」 ゆっくりとは思えぬほどの苦痛に満ちた顔で泣き叫ぶ四女れいむ。男はそれを上から見下ろしていた。 そしてそのまま四女れいむをひっくりかえした。 「ゆゆ! はなじでね! ゆっぐりでぎないおにーざんはゆるざないよ!」 「れいむにいもうとにふれないでね! おにーさんはここでゆっくりさせなくするよ!」 長女の渾身の体当たりも当たらなければ意味がなかった。男は勢いあまって転んだ長女を四女の隣に置くと 同じようにひっくり返した。 「ゆゆ! あんよがういてるよ! あたまがいだくでゆっぐりでぎないいいいい!!!!」 野生の中では滅多にならない体勢に戸惑う二匹。その二匹の底部、ゆっくり曰く『あんよ』との事だが その部分を男は思いっきり踏みつけた。 「いぎゃああああああああ!!!!!」 「ゆっぐじざぜでええええ!!!!」 気にせずグリグリと力を込める男。そのたびに叫び出す二匹。その声を聞くたびに男は品のない笑い声をあげた。 「ひ・・・ひひひひゃ!ひゃひゃっひひひひひひ!!!ひゃひひいいひいっひひひひ!!!」 ゆっくりの目から見てもこの男の笑い方は異常だった。何かを堪えながらかのような笑い方。しかし男は既に何も堪えてはないので これが素の笑い方だった。 足の力はどんどん強くなっていく。グリグリとすり潰すかのような動き。それにより二匹の底の皮はボロボロになっていた。 「あんよが! いじゃい! やべでね!」 「どうじでごんなひどいごどずるのおおお!!!」 「物は相談なのだが、ここいらでちょいと我慢大会しようぜ。」 「ゆ゛、ゆ゛ぐう゛?」 二匹は男へ憎悪の視線を送りつつ、話の続きを待った。 「これでどっちかが死んだら、残りは助けるという事にしようかなと。」 二匹は顔を見合わせる。それはつまりどちらかに死ねということだ。 長女れいむは考えた。生涯においてこれ以上はないと思えるほどに。 そして四女の怯えた目を見て決意した。 「くそじじい! ゆっくりれいむをはなしてね! そしてたくさんおかしをもってきてゆっくりしないでしんでね!!! なにぼけっとしてるの? ばかなの? しぬの? このかわいいれいむのためにはたらけるなんてありがたいとおもってね!!!」 四女は耳を疑った。自分の姉はこんな酷い事を平気で言う姉ではなかったのに何故なのかと? しかし男には長女の意図がわかったようだ。 ニヤリとまた嫌な笑みを口に浮かべると、"四女"れいむの足の力を強めた。 「あんよがやぶけでるうううううううう!!!!! やべでええええええ!!!」 「どうじでぞっぜなのおおおおおおおお!!!! いだいごどはでいぶにじでえええええええええ!!!! くぞじじいはゆっぐじじねえええええええええええええええええ!!!!! でいぶにざわっだんだからいちばんえんばらえええええ!!!!」 予想外の事に驚きを隠せないのか、必死にこちらを挑発してくる長女れいむ。 簡単な話だ。長女は男を怒らせて自分を殺すように仕向けたのだ。妹を助けるために。 四女はここにきてようやくそれを理解した。すると 「でいぶがごんなのぜんじぇんいじゃぐないよおおおおおおお!!! ばかなじじいのごうげきなんででびりゃいがだよおおおおおお!!!!」 今度は四女が挑発し始めた。男はそれを聞くと今度は長女れいむの方の足の力を強める。 「どうじでなのおおおおおおおお!!! ばがなのおおおおおおお!!!!」 男はこの光景にちょっぴり感動した。 「いや美しいね。まさに姉妹愛。感動ものだなこれは。」 男に踏まれている二匹の挑発はどんどんとエスカレートしていった。そして最終的にはお互いを罵倒しあっていた。 「どうじでべいぎなふり゛じでるのお゛お゛お゛お゛!!!! ばぎゃなおねーじゃんは゛どっどどじゃべるのやばでねえ゛え゛え゛!!!」 「いぼうどのぐぜに゛なばいぎいわ゛な゛い゛でえ゛え゛え゛!!! ゆっぐじでぎないいぼうどはどっどどどっがいっでねえ゛え゛え!!!」 「うるざいんだよおおおおおおお!!!! どうじでじゃべっじゃうのおおおおおおお!!!!」 「いいがら゛だばっでねええええ!!!! だばら゛ないどじんじゃうんだよおおおおお!!!!」 お互い相手を助けるための罵倒。涙も枯れ果ててるのにまだやってる。 「ん~素晴らしい姉妹に敬礼!」 そういって男は両足の力を緩めた。 「「ゆ?」」 助かったのかな?そんな表情を一瞬見せた二匹。 そして次の言葉も同時だった。 「「ゆぎィい゛い゛い゛い゛!!」」 同時に体を潰された二匹。男はそれらには興味を示さず、キョロキョロと辺りを見回す。 そして花の冠が無事な事を確認すると。4匹の遺体を手元に集めた。 「こんにちはー。だれかいますかー?」 木の下の穴に向かってそう叫ぶ男。すると中からちぇんが顔半分だけ出してきた。 「にんげんさんなんだねー。わからないよー。なんのようなのー?」 明らかにこちらを警戒していた。ちぇんは非常に素早い。この位置では手を伸ばす前に奥に逃げられるのは確実だ。 って待てよ?確か兄弟はれいむとまりさのはず。なんでちぇんが親なんだ?さらに耳を澄ますと、穴の奥から 「どうしたのちぇん? だれかきたのかしら?」といった声が聞こえる。おそらくありすだろう。 一応確かめてみるか。 「お二人のお子さんからプレゼントの配達を頼まれたのですが、え・・・れいむとまりさの親御さんで間違いないですかね?」 「そうだよー! れいむとまりさはちぇんとありすのこどもなんだよー!」 どうやら本当らしい。拾った子なのだろう。なら問題あるまい。 「そうですか、ではまずこの花飾りを貴方に。」 そういってちぇんの頭に花飾りを被せてあげた。 「わかるよー! とてもゆっくりできるかざりなんだよー! うれしいんだよー!」 尻尾をぶるんぶるん振り回して喜ぶちぇん。巣穴から出てきたありすもそれを見て嬉しそうだ。 「とってもとかいはなかんむりね! ありすもうれしいわ!」 「実はもうひとつあるのですが。こちらですありすさん。」 そういって俺は後ろに置いてあった物をありすの顔に被せてあげた。 「都会では有名な顔パックですよ。」 潰れた子供たちの皮で出来た文字通りの顔パック。きちんと眼と口があった部分が残っているので付けたまま喋れます。 道具もなしで作った割には中々の出来栄えである。 ありすはと言うと。 「え? え?どうじでこどもだぢのがおが・・・がおが? がおが? がっががおおおおがおがああああああ!!!!!!!! どうじでじんでののおおおおおおおおおおおお!!!!」 クリームを口から滝のように噴出して倒れていった。長くはないだろう。 「わがらないよおおおおおおおおおお!!!!! わがらないよおおおおおおおおお!!!!」 オロオロとするちぇんがどこかへ走り去っていくのを見届けて、俺は家に帰ることにした。 本当の目的である、とあるゆっくりの巣を探す事をすっかり忘れて。 【おまけ】 れみりゃとふらんは仲良く手をつないで空を飛んでいた。 空いてる手にはそれぞれまりさを一匹ずつ乗せていた。 今日は初めて狩りに出かけた記念すべき日だ。それと同時にこの森にいる最後の日でもある。 最近何故か森のあまあまが減ったために、他の森に行こうとみゃみゃは言った。 生まれ育った森を去るのは寂しいが、まぁんまぁと一緒ならどこにでもいける。 最後の記念にと二匹は初めて狩りに出かけることにした。そして幸運にもまりさを捕まえたのだ。 これをまぁんまぁに"ぷれぜんと"して喜んで貰おう。今からまぁんまぁに褒められるのが楽しみで仕方ない二匹だった。 「うっう~♪ みゃんみゃはきっとれみりゃたちのかり☆すまにおどろくどぉ~♪」 「うー! うー!」 そして我が家に帰宅した二匹 素早くお家である洞窟に入ると 「「まぁんまぁー!」」 ドタドタとおうちの奥へ入っていった。そこで何か大きな物が動いていることに気づいた。 「むーしゃ! むーしゃ! しあわせー!」 「はじめてのかりなのにまりさはすごいんだぜ!」 「これはおかーさんたちの分にするね!」 「ゆっくりわかったよ! ドスのお帽子にいれておくね!」 その大きな後ろ姿には身に覚えがあった。今自分たちが持っているあまあま。まりさだ。 しかし知っているものよりそれは遥かに大きかった。 「う~♪ おおきなあまあまがいるどぉ~♪ たーべちゃうぞー!」 自分たちよりも大きいそれを見ても、れみりゃはまるで危機感を抱かなかった。 あまつさえそのままガブリと噛みつく。噛みつかれたまりさは、ピクリと反応して後ろを振り向いた。 「もう~なんなのー? 今ゆっくり食事中なんだよ~」 「うー! いいかられみりゃたちにたべら・・・う~?」 それはドスまりさと呼ばれる個体だった。そして今ドスの口から出ている足。 それに二匹は見覚えがあった。そしておそるおそるドスの後ろを見る。 手があった。足があった。首があった。胴体があった。全部バラバラだった。何故か胴体をむしゃくしゃとあまあまが食べていた。 苦しそうな顔の首があった。こちらを見ていた。視線があった。 「「まぁ・・・ばぁんばぁああああああ!!!!」 手に持っていた饅頭を地面に落して、ドコドコと全速力で母親の元へ駆け寄ろうとする二匹。 しかしそれをドスは許さなかった。ドスはぴょんと少しだけ跳ねながら二匹にぶつかった。 「いぎゃいどぉー!!! ざぐやああああ!!!! びゃんびゃああああああああ!!!!」 「うううううう!!! ゆっぐじじんで! ゆっぐじじんでぇ!」 壁にぶつかり涙目になっている二匹を見たドスまりさは。 「ゆゆ! ちょうどいいね! ゆっくり育てるよ! かこうじょいきだね!」 後ろのゆっくり達も賛同する。 「ゆっくりそだててにくまんとあんまんをそだててもらうんだね!」 「たのしみだね!」 「むきゅん! ようしょくっていうのよ!」 「それじゃあ、おくちのなかにゆっくりはいってね!!!」 そういうと、パクリと二匹を口の中に入れたドスまりさ。二匹は唾液と肉の匂いが充満する口の中に押し込められた。 「ぐじゃいいいいいいいいい!!!! ぜばいいいいいい!!!!」 「ごべんなざああああいいいいい!!!! でびりゃだぢがわるがっだでずうううううう!!!」 「ドス! ゆっくりかえろうね!」 ドスは頷くと、のそのそと洞窟の外へ出て行った。 その際に下に居たまりさ達には気づかなかったらしい。ぶちゅりと言う音は誰にも聞こえなかった。 【あとがき】 ドスがオチ担当・・・誰かHENTAIしてくれる紳士はいませんかー! by バスケの人 このSSに感想を付ける
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~ キッザニア甲子園 ~ ご招待 ・ チケットプレゼント ・ キャンペーン ・ スポンサーデーなど 2009年度 ピザーラスポンサーデー「キッザニア甲子園チケットプレゼント」 2009年01月13日の記事 3月4日締切 セシール「キッザニア甲子園ご招待チケットプレゼントキャンペーン」 2009年02月16日の記事 6月30日まで ドンク「キッザニア甲子園チケットプレゼント」 2009年02月23日の記事 2月28日まで JCB「キッザニア入場券をプレゼント!春のおかいものキャンペーン!」 2009年02月26日の記事 5月15日まで 阪神なんば線開通記念「キッザニア甲子園オープン前のご招待!!」 2009年02月28日の記事 3月2日必着 阪神なんば線開通記念キャンペーン「キッザニア甲子園ご招待」 2009年03月02日の記事 5月10日まで ららぽーと甲子園ポイントカード限定「キッザニア甲子園ご招待券」 2009年03月20日の記事 4月5日まで JCBザ・クラス、ゴールド、ネクサス限定「キッザニア甲子園へご招待」 2009年04月03日の記事 5月15日まで ららぽーと甲子園ポイントカード限定「毎月キッザニア甲子園ご招待!」 2009年04月07日の記事 ◆毎月締切(1日~月末)、毎月5日に抽選◆ 貝印「あったかミッションでキッザニア甲子園チケットを当てよう!」 2009年05月04日の記事 6月30日(火)まで 高島屋「キッザニア甲子園チケットを当てよう!」 2009年05月05日の記事 5月6日まで 和食さと「キッザニア甲子園スペシャルナイトご招待」 2009年05月07日の記事 6月7日?まで 集英社「キッザニア甲子園ご招待!」 2009年05月08日の記事 6月5日消印 abc kids本会員限定「キッザニアスペシャルデーご招待チケットプレゼント♪」 2009年05月15日の記事 5月20日まで 森永製菓「キッザニア甲子園スペシャルナイトご招待」ブログでUPしていないレア情報 5月31日消印 イズミヤ「ニチレイフーズがイズミヤで贈る夏にはキッザニア甲子園へいこう!」ブログでUPしていないレア情報 6月10日消印 ドコモプレミアムクラブ会員限定!キッザニア甲子園へご招待! 2009年06月11日の記事 6月30日締切 キッザニア甲子園プレミアムナイト入場券チケットが当たる! 2009年06月13日の記事 9月15日まで ピザーラ 夏のプレゼントキャンペーン! 2009年06月22日の記事 7月31日締切 キッザニア甲子園特別ご招待チケットプレゼント! 2009年06月28日の記事 7月31日まで 第2弾キッザニア甲子園ご招待チケットプレゼント-セシール 2009年07月09日の記事 11月30日まで実施中 出光 キッザニア甲子園 ご招待キャンペーン 2009年07月10日の記事 8月2日まで NISSEI WEB会員限定-キッザニア甲子園にご招待 2009年07月12日の記事 7月31日まで 三井住友銀行 キッザニア 第3回こどもイラストコンクール 2009年07月16日の記事 8月31日消印 第3回 ビルメンこども絵画コンクール 2009年07月24日の記事 9月15日消印 「キッザニア甲子園」にご招待!オルビス 2009年08月07日の記事 8月16日まで 「ぼくとわたしの阪神電車」キッザニア甲子園ご招待 2009年08月09日の記事 9月10日必着 「阪神なんば線 夏休み探検クイズ&スタンプラリー」 2009年08月11日の記事 8月31日まで “エコかるた”応募で当てよう!キッザニア甲子園 2009年08月18日の記事 8月31日まで 「キッザニア甲子園☆ライオンスペシャルデーご招待」 2009年10月07日の記事 10月19日まで 「キッザニア甲子園ご招待プレゼント☆出光」 2009年11月02日の記事 11月21~23日 「先着☆キッザニア甲子園特別ご招待ペアチケットプレゼント」ミドリ電化 2009年11月22日の記事 12月31日消印 「キッザニア甲子園チケットプレゼントキャンペーン☆日本生命」 2009年11月29日の記事 11月30日消印 「キッザニア甲子園ご招待チケットプレゼント☆アシックス」 2009年12月03日の記事 12月3日まで 「キッザニア甲子園ファミリーご招待☆フルルKansai」 2009年11月30日の記事 11月30日まで 「キッザニア甲子園に特別ご招待☆三井不動産スポンサーデー?」 2009年12月14日の記事 12月25日まで その他募集コーナー 『こども議会 第1期議員』募集中-キッザニア甲子園 2008年10月02日の記事 「キッザニアin はんしんまつり」-キッザニア甲子園 2008年10月15日の記事
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まだ夜が明けたばかりの森。朝日が山々を美しく照らしていた。 そして森には珍しい生き物がいた。 いや正確に言えばその生き物自体は珍しくもない。問題はその生き物がこの時間帯に行動している事だ。 生き物の名前はゆっくりれいむとゆっくりまりさ。大小合わせて6匹。 正確な数は子供のれいむとまりさがそれぞれ2匹ずつ。後は赤ちゃんれいむが2匹。 6匹は歌いながら朝日が眩しい森の中を跳ねていた。といっても赤ん坊のれいむ2匹は長女のれいむの口の中に入っているのだが。 「ゆっゆっゆっゆ~♪」 「ゆ~ゆ~ゆゆゆ~♪」 「ゆっくり~♪」 ゆっくり独特の音程の歌が森に響き渡る。朝の陽ざしを受けながらぴょこんぴょこんと生首が動き回る姿は かなりシュールである。 「ここでわかれようね! おひさまがしずむまえにゆっくりここにもどろうね!」 長女のれいむがそう言って立ち止まった。そこは近所のゆっくり達が集まるスポットだった。 いつからあるかわからない空き小屋である。元は人が住んでいたであろうそこは、今ではもっぱら子ゆっくり達の遊び場である。 「ゆゆ! そうだね! それじゃまりさたちはおがわにいってくるよ! おねーちゃんはあっちにいってね!」 「ゆっくりがんばってね!」 「ゆっくりがんばるよ!」 そう言うと次女のまりさと三女のまりさは川の方へ向かって言った。残ったれいむ達も森の奥へと向かい出した。 「ゆっくり"ぷれぜんと"をさがすよ! いもうとたちはゆっくりおくちにはいっててね!」 「「ゆっきゅりりかいちちゃよ!」」 「ゆっくりしないでいこうねおねーちゃん! はやくはやく!」 四女のれいむは待ちきれないのか駆け足で跳ねていく。 このれいむ達が朝早くから活動してるのはもちろん理由がある。彼女らは母親達のために"プレゼント"を探しにいったのだ。 彼女らと母親達は実の親子ではない。もっと言うと上の四匹と赤ゆっくり達も餡子は繋がっていない。 両親を事故で失い路頭に迷っていた彼女たちを拾ったのが、今の育ての親である ちぇんとありすの夫婦だった。この夫婦はかなりの高齢であり、今までにたくさんの子供を育ててきた。 しかし現実は厳しく、その中で未だに生きているのは一割にも満たなかった。 老齢のためにんっしんっする体力もなく、余生をゆっくりと過ごそうとした二匹の前に現れたのが彼女たちである。 種族は違えど同じゆっくり。夫婦は快く受け入れた。 それからは幸せな毎日だった。年老いている分、豊富な知識を持つ親は、何が危険で何がゆっくりできるのかをキチンと教えてくれた。 近所のゆっくり達とは仲良くなれた。痩せほそり、髪も飾りもボロボロだったが今では近所で一番の美ゆっくりになった。 姉妹達は心の底から夫婦を愛し、感謝した。そして何とか自分たちで二人を喜ばせないか。考えに考えた結果がプレゼントである。 何かゆっくりできるものをプレゼントしよう。そう考えた姉妹たちは朝早くこっそりとおうちを出た。 二人には事前に朝から遊びに行ってくると言ってある。そして二手に分かれることにした。れいむ側がありすへのプレゼント まりさ側がちぇんへのプレゼントを探す事に決めた。 こちらは川にへ向かったまりさ達。二匹は、さっそく小川に来た。 朝の陽ざしが水面で反射して辺りを照らしてた。その美しい光景に二匹はしばしゆっくりとしてしまった。 「ゆっくりできるね・・・」 「ゆぅ・・・そうだね。」 ぼぉーっとしていた二匹だが、やっと自分たちの目的を思い出したのか、ビクンと跳ねた。 「ゆゆ! ゆっくりしてるばあいじゃないよ! おさかなさんをゆっくりとるよ!」 「ゆっくりわかったよまりさおねーちゃん! おさかなさんをゆっくりさがすね!」 彼女らの目的は魚である。ちぇん種は甘いものの他に魚も好きだ。しかし水への耐性がほとんど無いゆっくりにとって 魚は夢のまた夢である。ちぇん自身、ずっと昔に知り合いのまりさに取ってもらった一匹だけしか食べたことがないという。 その話を聞いた二匹は魚を取ってきてゆっくりしてもらおうと思ったのだ。 二人はさっそく、川岸から水の中を覗いた。ちょうど川の中流に位置する場所なので、多少なりとは小魚も居た。 ただし流石にゆっくりが川岸から覗ける範囲には居なかった。 「ゆゆ・・・いないねまりさおねーちゃん。」 「ゆ~ん。もっとおくのほうにいるんだねきっと! まりさがさきにさがすから、いもうとはゆっくりまっててね!」 「ゆっくりりかいしたよ! がんばってねまりさおねーちゃん!」 応援のつもりなのだろう。すりすりと次女まりさのほっぺに自分のほっぺをすりつける三女まりさ。 それを嬉しそうに受け入れた次女まりさは、水面に自分の帽子を浮かべると、帽子の中に入れていた木の棒を口で掴み ピョンと帽子の中へ飛び乗った。それから木の棒を水の中へ入れると、器用に動かして川の真ん中へ進みだした。 「ゆっこらせ! ゆっこらせ!」 ゆっくりにしてみれば川渡りは重労働である。時には川の流れに逆らい、時には激流に身を任せながら進まなければならないのだ。 それでもまりさは一生懸命漕いでいた。さらに水の中を覗く事も忘れない。 「ゆゆ~おさかなさんいないよ・・・こっちにいるのかな?」 そういって大きく右へ動きだす次女まりさ。 結局、10分ほど探しても小魚一匹見つからなった。陸へ戻ったまりさは、 用意されていた葉っぱの上に帽子を置くと、「ふぅー! ふぅー! ゆっくりかわいてね!」 と言いながら息を吹きかけていた。 「つぎはまりさがさがすよ! ちょっとむこうのほうをさがすね!」 そういって三女まりさは上流の方へ少し向かった。 「ゆっくりここでみてるよ! おねーちゃんのみえないところにいかないでね!」 「ゆっくりりかいしたよ!」 三女まりさはやる気満々といった感じだった。その後ろ姿に次女まりさは頼もしさを覚えた。 三女まりさが魚を探している時だった。不意に後ろから誰かがやってきたのに気づいた。 ガサゴソと草むらから何かが出てきた。 ピョコンと出てきたそれは・・・話だけは聞いたことがある"天敵"だった。 「れ・・・れみりゃだあああああああああ!!!!!!」 幼女体系の不思議なゆっくり。れみりゃだった。同時にれみりゃは他のゆっくりを主食にする 所謂『捕食種』と言われる種類のゆっくりだった。しかしまりさにとっては予想外の登場だった。 そもそもれみりゃはこんな朝早くに動かない。それにこの辺りにはれみりゃは住み着いていなかった。 この辺りは最近何故かゆっくりの数が減っていた。れみりゃも例外ではない。 もうこの辺りでは見かけないと思っていた。 「うっう~♪ あまあまをみつけだどぉ~♪ れみりゃはこううんなおぜうさまだどぉ~♪」 ぷりぷりとお尻を振り、奇妙な腰の動きをしながら喜ぶれみりゃ。 まりさはこの状況を一体どうやって乗り切ろうか考えていた。 川に逃げ込むか・・・いやれみりゃはゆっくりとだが空を飛べる。 ならば正面突破で逃げるか・・・それも難しいだろう。 いっそ戦うか・・・一匹でれみりゃに勝てるとは思えない。 比較的頭の回転が早いまりさは既に結論を出していた。自分はこのまま食べられるだろうと。 なら次に何をするかも分かっていた。れみりゃが妹に気付かないように自分が囮になるのだと。 ちらりと妹の方を見た。ちょうど陸に下りたところらしく、こちらを見てガクガクと震えていた。 まりさはすぐさま下流の方へと逃げだそうとした。しかしここでまた思いも寄らない事態が起こった。 「うー! こっちにもあまあまがいたー! おねーさまはとろいー!」 なんとふらんが居たのだ。しかもよりにもよって妹が居る方から出てきた。 れみりゃ以上のパワーと残虐性を持つふらんだ。勿論妹を逃すはずもなく、がっしりと掴んでいた。 「いじゃいよ! ゆっくじやべでね! ばりざをはなじでね!」 「や゛べ゛でえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!」 強力な力で握られ、今にも潰れそうな妹を見たまりさは無意識のうちにふらんの元へ駈け出して行った。 しかし妹の元へは辿りつけなかった。 「ゆべぇ!」 上から何かの力で押しつぶされたまりさ。それは確認するまでもなく、れみりゃの手であった。 「にげちゃだめなんだぉ~♪ あまあまはまぁんまぁへの"ぷれぜんと"なんだどぉ~♪」 ぎゅっぎゅとリズミカルに握った手に力を込めるれみりゃ。それはまりさにとっては死にそうなほどに辛いものだった。 「ゆぎゃあ! いぎゃい! やべでね! ばりざはいいがらいぼうどはだづげぎゃ! ば・・・ばりざはぶれぜんゆぎぃ!」 「うっうー♪」というれみりゃの楽しそうな声とまりさの悲痛な叫び。相反する声が交互に響いた。 「ばりざお゛ね゛ーじゃああああああああんん!!! ゆっぐじやべであげでええええええええ!!!!」 妹は耐えきれず叫び出す。妹を掴んでいるふらんはそれが気に食わなかった。 「うー! うるさい! しずかにー!」 妹を持っている手とは逆に左手で、人間でいうならばこめかみの部分を万力の様に押しつぶした。 「いぎぃいいいいいいいい!!!!! あじゃまがつぶれじゃうううううう!!!!」 押しつぶさないように力を加減しながらも、ゆっくりと力を込めるふらん。徐々に力を失っていくまりさに興奮していたが 「う~♪ こらふらん! ゆっくりしないではやくかえるんだどぉ~♪」 今の今まで遊んでいたれみりゃがそんな事を言ってきた。手の中のまりさの様子を見るに 大方まりさが気絶したからだろう。 「うー! あそんでたのはおねーさま! ふらんまじめだった!」 文句を言いつつ二匹は帰路に付く事にした。 手には気絶したまりさ達を掴み、小さな羽を動かして空へと飛んで行った。 一方、森の方へと向かったれいむ達一向。 野生の動物に注意しつつ、れいむ達が向かったのは秘密のスポットだった。 「ゆゆ! ついたよ! すごくゆっくりできるおはなさんたちだね!」 「「ゆっくりできりゅね!」」 「ゆゆ~♪ ここのおはなさんなら、とかいはなかんむりができるね!」 れいむ達の前に広がるのは一面真っ白の花畑だった。れいむ達は知らなかったがそれはシロツメクサと呼ばれる花だった。 そしてこの場所はれいむ達以外誰も知らない秘密のゆっくりプレイスなのだ。 「ゆっくりおはなさんをあつめるよ! しろいおはなさんをあつめてねね!」 「「「ゆっゆっゆー!」」」 早速、花を集める事にしたれいむ達。 「おはなさんごめんね! とかいはなかんむりにするからね!」 そういってブチっと花を抜いていく切り落とすれいむ達。 れいむ達が作ろうとしているのは花の冠だ。ありすが『とかいは』を重視しているのはれいむ達も知っていた。 親のありすは老齢のためかもう気にしてないようだったが、もう一度『とかいは』になってほしいと思ったのだ。 ある程度花を集めたれいむ達は、次にそれらを束ねて結ぶ作業に入ろうとしたその時だった。 「やあ、ゆっくりしてるかい?」 誰かの声が聞こえた。ゆっくりの本能により、声のする方を向いて返事を返した。 「「ゆっくりしていってね!!!」」 「「ゆっきゅりちていっちぇね!」」 そこに立っていたのは自分たちよりも何倍も大きい生き物。人間だった。 長女れいむは一瞬戸惑った。親たちからはできる限り、人間に関わらないように言われていたからだ。 良い人間も悪い人間も居るが、悪い人間に捕まったらゆっくりできなくなってしまう。 良い人間に捕まってもどうなるかわからなからだと。 長女れいむが悩んでいると、男はさらに話を続けた。 「君たちは何をしているんだい?」 「おきゃーしゃんたちにぷれじぇんちょをちゅくっちぇるんだよ!」 「プレゼント?」 「そうだよ! おはなさんのかんむりをつくっておかーさんにあげるんだよ!」 「ふーんそうなのか。そのお花で冠を作るんだね? なかなか綺麗な冠になりそうだね。」 「ほめてもいいのよ!」 「ゆっへん!」 男が妹たちと他愛もない話をしているのを見て、長女れいむは安心した。 「僕はここでちょっとゆっくりしにきたんだ。ゆっくりやすんでもいいかな? じゃまはしないから。」 「「ゆっくちやちゅんでねおにーしゃん!」」 言った通りにゴロゴロと男は寝っ転がった。その様子を気にせず、四匹は冠の作成に取り掛かった。 花を束ねて結ぶ作業は難航していた。ゆっくりが細かい作業で使える部分は如何せん口だけなのだ。 「ゆぐっし! ゆっくりむすんだよ!」 「だめだよ! ほどけてるよ!」 そんな会話が何回か続いたころ。男はまた話しかけてきた。 「結ぶの手伝ってあげようか?」 「ゆ? でもおにーさんゆっくりしてるんでしょ?」 「れいむたちがゆっくりできないのは困るからね。」 そう言って立ち上がると、周りから適当に何かを摘み取った男は、花の束を結び始めた。 「束ねるのには、このクローバーの茎がいいんだよ。はい。」 男はあっという間に冠を完成させた。れいむ達はドスでも見たかなのように冠を崇めていた。 「とてもきれいでゆっくりしてるかんむりだよ!」 「とっちぇもきれいだねおねーしゃん!」 「きっとしゅっぎょくときゃいはだよ!」 長女れいむもこの出来栄えには感動していた。そして男の方を向くと 「みんな! おにーさんにゆっくりおれいをいってね。いっせーので!」 「「「「ありがとうおにーさん(しゃん)!!!」」」」 心からのお礼であった。男はお礼の言葉を受け取ると、ぶつぶつと何かを言い始めた。口元はニヤリと笑っていた。 「いや、お礼なんていらないしな・・・だってねえ。いやホント・・・ふっふはは・・・いやだってこれからさあ・・・」 「ゆゆ? どうしたのおにーさん? ぽんぽんがいたいの?」 心配そうに男の顔を覗きこんだ四女れいむ。男はそれに気付くと独り言をやめた。 「ああ大丈夫さ。それより頼みがあるんだ。僕もその冠を受け取ったお母さんの笑顔が見たくてね。ちょっとお家まで付いて行っていいかな?」 「ゆゆ・・・わかったよおにーさん! ゆっくりついてきてね!」 「ゆっくちついちぇきちぇね!」 ゆっくりのゆっくりとした速度に合わせて男は動きだした。二匹の赤ん坊は四女れいむいの口の中に収まっていた。 そしてちょうど空き小屋の前で立ち止まるれいむ達。 「ここでいもうとのまりさたちとまちあわせしてるんだよ! わるいけどゆっくりまってねおにーさん!」 長女れいむがそう言うと、男は少し悩んでいるような表情を見せた。 「んー待つのか・・・でもまりさはそんなすきじゃないしな・・・」 そしてブツクサと何か喋っていたが、ふと思い出したかのように長女れいむに質問した。 「おうちはここから遠いのかい?」 「ゆゆ! あのおおきなきのしただよ!」 四女れいむが顔で差した方向を見ると、200m程先に、一際大きな木が一本そびえ立っていた。 木の根元にはやたら土や石が置いてある。どうやら木の下に巣を作っているらしい。 「ああ、あの木の下か。わかったよ。んじゃもういいや。」 四女れいむの頭がぐにゃりと潰れた。 「ゆぎぃ!」 四女れいむは何が起こったかわからなかった。ただ頭に酷い痛みを感じた。 その後、自分の口の中が何故か甘い事に気づいた。何故だろう。何か食べた訳でもないし、口の中には何も入れて・・・・・ 「でいぶのいぼうどがああああああああああああ!!!!!」 長女れいむの叫びと、四女れいむが口の中の物を吐き出すのは同時だった。長女は既に気づいていたのだ。 自分の妹が潰れていることに。 四女れいむは自分の口から出た"それ"から思わず目を逸らそうとした。しかしできるはずがなかった。 たとえ餡子が全て出て、皮だけになった姿になっていたとしても、それは自分が殺した妹なのだから。 「あがじゃ・・・あがじゃん・・・ご、ごべんね。ごべんね。ごご、ごべんなざああああああいいいいい!!!!」 ゆっくりとは思えぬほどの苦痛に満ちた顔で泣き叫ぶ四女れいむ。男はそれを上から見下ろしていた。 そしてそのまま四女れいむをひっくりかえした。 「ゆゆ! はなじでね! ゆっぐりでぎないおにーざんはゆるざないよ!」 「れいむにいもうとにふれないでね! おにーさんはここでゆっくりさせなくするよ!」 長女の渾身の体当たりも当たらなければ意味がなかった。男は勢いあまって転んだ長女を四女の隣に置くと 同じようにひっくり返した。 「ゆゆ! あんよがういてるよ! あたまがいだくでゆっぐりでぎないいいいい!!!!」 野生の中では滅多にならない体勢に戸惑う二匹。その二匹の底部、ゆっくり曰く『あんよ』との事だが その部分を男は思いっきり踏みつけた。 「いぎゃああああああああ!!!!!」 「ゆっぐじざぜでええええ!!!!」 気にせずグリグリと力を込める男。そのたびに叫び出す二匹。その声を聞くたびに男は品のない笑い声をあげた。 「ひ・・・ひひひひゃ!ひゃひゃっひひひひひひ!!!ひゃひひいいひいっひひひひ!!!」 ゆっくりの目から見てもこの男の笑い方は異常だった。何かを堪えながらかのような笑い方。しかし男は既に何も堪えてはないので これが素の笑い方だった。 足の力はどんどん強くなっていく。グリグリとすり潰すかのような動き。それにより二匹の底の皮はボロボロになっていた。 「あんよが! いじゃい! やべでね!」 「どうじでごんなひどいごどずるのおおお!!!」 「物は相談なのだが、ここいらでちょいと我慢大会しようぜ。」 「ゆ゛、ゆ゛ぐう゛?」 二匹は男へ憎悪の視線を送りつつ、話の続きを待った。 「これでどっちかが死んだら、残りは助けるという事にしようかなと。」 二匹は顔を見合わせる。それはつまりどちらかに死ねということだ。 長女れいむは考えた。生涯においてこれ以上はないと思えるほどに。 そして四女の怯えた目を見て決意した。 「くそじじい! ゆっくりれいむをはなしてね! そしてたくさんおかしをもってきてゆっくりしないでしんでね!!! なにぼけっとしてるの? ばかなの? しぬの? このかわいいれいむのためにはたらけるなんてありがたいとおもってね!!!」 四女は耳を疑った。自分の姉はこんな酷い事を平気で言う姉ではなかったのに何故なのかと? しかし男には長女の意図がわかったようだ。 ニヤリとまた嫌な笑みを口に浮かべると、"四女"れいむの足の力を強めた。 「あんよがやぶけでるうううううううう!!!!! やべでええええええ!!!」 「どうじでぞっぜなのおおおおおおおお!!!! いだいごどはでいぶにじでえええええええええ!!!! くぞじじいはゆっぐじじねえええええええええええええええええ!!!!! でいぶにざわっだんだからいちばんえんばらえええええ!!!!」 予想外の事に驚きを隠せないのか、必死にこちらを挑発してくる長女れいむ。 簡単な話だ。長女は男を怒らせて自分を殺すように仕向けたのだ。妹を助けるために。 四女はここにきてようやくそれを理解した。すると 「でいぶがごんなのぜんじぇんいじゃぐないよおおおおおおお!!! ばかなじじいのごうげきなんででびりゃいがだよおおおおおお!!!!」 今度は四女が挑発し始めた。男はそれを聞くと今度は長女れいむの方の足の力を強める。 「どうじでなのおおおおおおおお!!! ばがなのおおおおおおお!!!!」 男はこの光景にちょっぴり感動した。 「いや美しいね。まさに姉妹愛。感動ものだなこれは。」 男に踏まれている二匹の挑発はどんどんとエスカレートしていった。そして最終的にはお互いを罵倒しあっていた。 「どうじでべいぎなふり゛じでるのお゛お゛お゛お゛!!!! ばぎゃなおねーじゃんは゛どっどどじゃべるのやばでねえ゛え゛え゛!!!」 「いぼうどのぐぜに゛なばいぎいわ゛な゛い゛でえ゛え゛え゛!!! ゆっぐじでぎないいぼうどはどっどどどっがいっでねえ゛え゛え!!!」 「うるざいんだよおおおおおおお!!!! どうじでじゃべっじゃうのおおおおおおお!!!!」 「いいがら゛だばっでねええええ!!!! だばら゛ないどじんじゃうんだよおおおおお!!!!」 お互い相手を助けるための罵倒。涙も枯れ果ててるのにまだやってる。 「ん~素晴らしい姉妹に敬礼!」 そういって男は両足の力を緩めた。 「「ゆ?」」 助かったのかな?そんな表情を一瞬見せた二匹。 そして次の言葉も同時だった。 「「ゆぎィい゛い゛い゛い゛!!」」 同時に体を潰された二匹。男はそれらには興味を示さず、キョロキョロと辺りを見回す。 そして花の冠が無事な事を確認すると。4匹の遺体を手元に集めた。 「こんにちはー。だれかいますかー?」 木の下の穴に向かってそう叫ぶ男。すると中からちぇんが顔半分だけ出してきた。 「にんげんさんなんだねー。わからないよー。なんのようなのー?」 明らかにこちらを警戒していた。ちぇんは非常に素早い。この位置では手を伸ばす前に奥に逃げられるのは確実だ。 って待てよ?確か兄弟はれいむとまりさのはず。なんでちぇんが親なんだ?さらに耳を澄ますと、穴の奥から 「どうしたのちぇん? だれかきたのかしら?」といった声が聞こえる。おそらくありすだろう。 一応確かめてみるか。 「お二人のお子さんからプレゼントの配達を頼まれたのですが、え・・・れいむとまりさの親御さんで間違いないですかね?」 「そうだよー! れいむとまりさはちぇんとありすのこどもなんだよー!」 どうやら本当らしい。拾った子なのだろう。なら問題あるまい。 「そうですか、ではまずこの花飾りを貴方に。」 そういってちぇんの頭に花飾りを被せてあげた。 「わかるよー! とてもゆっくりできるかざりなんだよー! うれしいんだよー!」 尻尾をぶるんぶるん振り回して喜ぶちぇん。巣穴から出てきたありすもそれを見て嬉しそうだ。 「とってもとかいはなかんむりね! ありすもうれしいわ!」 「実はもうひとつあるのですが。こちらですありすさん。」 そういって俺は後ろに置いてあった物をありすの顔に被せてあげた。 「都会では有名な顔パックですよ。」 潰れた子供たちの皮で出来た文字通りの顔パック。きちんと眼と口があった部分が残っているので付けたまま喋れます。 道具もなしで作った割には中々の出来栄えである。 ありすはと言うと。 「え? え?どうじでこどもだぢのがおが・・・がおが? がおが? がっががおおおおがおがああああああ!!!!!!!! どうじでじんでののおおおおおおおおおおおお!!!!」 クリームを口から滝のように噴出して倒れていった。長くはないだろう。 「わがらないよおおおおおおおおおお!!!!! わがらないよおおおおおおおおお!!!!」 オロオロとするちぇんがどこかへ走り去っていくのを見届けて、俺は家に帰ることにした。 本当の目的である、とあるゆっくりの巣を探す事をすっかり忘れて。 【おまけ】 れみりゃとふらんは仲良く手をつないで空を飛んでいた。 空いてる手にはそれぞれまりさを一匹ずつ乗せていた。 今日は初めて狩りに出かけた記念すべき日だ。それと同時にこの森にいる最後の日でもある。 最近何故か森のあまあまが減ったために、他の森に行こうとみゃみゃは言った。 生まれ育った森を去るのは寂しいが、まぁんまぁと一緒ならどこにでもいける。 最後の記念にと二匹は初めて狩りに出かけることにした。そして幸運にもまりさを捕まえたのだ。 これをまぁんまぁに"ぷれぜんと"して喜んで貰おう。今からまぁんまぁに褒められるのが楽しみで仕方ない二匹だった。 「うっう~♪ みゃんみゃはきっとれみりゃたちのかり☆すまにおどろくどぉ~♪」 「うー! うー!」 そして我が家に帰宅した二匹 素早くお家である洞窟に入ると 「「まぁんまぁー!」」 ドタドタとおうちの奥へ入っていった。そこで何か大きな物が動いていることに気づいた。 「むーしゃ! むーしゃ! しあわせー!」 「はじめてのかりなのにまりさはすごいんだぜ!」 「これはおかーさんたちの分にするね!」 「ゆっくりわかったよ! ドスのお帽子にいれておくね!」 その大きな後ろ姿には身に覚えがあった。今自分たちが持っているあまあま。まりさだ。 しかし知っているものよりそれは遥かに大きかった。 「う~♪ おおきなあまあまがいるどぉ~♪ たーべちゃうぞー!」 自分たちよりも大きいそれを見ても、れみりゃはまるで危機感を抱かなかった。 あまつさえそのままガブリと噛みつく。噛みつかれたまりさは、ピクリと反応して後ろを振り向いた。 「もう~なんなのー? 今ゆっくり食事中なんだよ~」 「うー! いいかられみりゃたちにたべら・・・う~?」 それはドスまりさと呼ばれる個体だった。そして今ドスの口から出ている足。 それに二匹は見覚えがあった。そしておそるおそるドスの後ろを見る。 手があった。足があった。首があった。胴体があった。全部バラバラだった。何故か胴体をむしゃくしゃとあまあまが食べていた。 苦しそうな顔の首があった。こちらを見ていた。視線があった。 「「まぁ・・・ばぁんばぁああああああ!!!!」 手に持っていた饅頭を地面に落して、ドコドコと全速力で母親の元へ駆け寄ろうとする二匹。 しかしそれをドスは許さなかった。ドスはぴょんと少しだけ跳ねながら二匹にぶつかった。 「いぎゃいどぉー!!! ざぐやああああ!!!! びゃんびゃああああああああ!!!!」 「うううううう!!! ゆっぐじじんで! ゆっぐじじんでぇ!」 壁にぶつかり涙目になっている二匹を見たドスまりさは。 「ゆゆ! ちょうどいいね! ゆっくり育てるよ! かこうじょいきだね!」 後ろのゆっくり達も賛同する。 「ゆっくりそだててにくまんとあんまんをそだててもらうんだね!」 「たのしみだね!」 「むきゅん! ようしょくっていうのよ!」 「それじゃあ、おくちのなかにゆっくりはいってね!!!」 そういうと、パクリと二匹を口の中に入れたドスまりさ。二匹は唾液と肉の匂いが充満する口の中に押し込められた。 「ぐじゃいいいいいいいいい!!!! ぜばいいいいいい!!!!」 「ごべんなざああああいいいいい!!!! でびりゃだぢがわるがっだでずうううううう!!!」 「ドス! ゆっくりかえろうね!」 ドスは頷くと、のそのそと洞窟の外へ出て行った。 その際に下に居たまりさ達には気づかなかったらしい。ぶちゅりと言う音は誰にも聞こえなかった。 【あとがき】 ドスがオチ担当・・・誰かHENTAIしてくれる紳士はいませんかー! by バスケの人 このSSに感想を付ける
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「寄付してよいもの」 文房具 食器類 弁当箱 ゲーム(テレビゲームは不可・取り合い、喧嘩になるため) 本(残酷やグロはダメ) スポーツ用品 ぬいぐるみ 帽子・手袋・マフラ・コート(服は不可・サイズが無く着られない子がでてくる) 「寄付できない物」 衣類 テレビゲーム エロ・グロ系の本 フィギア 化粧品 施設に関すること 1.男何人女何人? 答、男性の方が多いです。 2. 小学校低学年・高学年・中学生・高校生それぞれ何人ずつ? 答、現在確認中なので、分かり次第報告します。 3. 小学生以下の子供は居る? 答、居ます。 プレゼントに関すること 1. 化粧品(化粧水など肌に関わるもの)はやめといた方がいい? 答、小さい子もいるのでいたずら等したり口に入れてしまう可能性もあるのでNGです 2. ラッピングはしたほうがいいの? 答、したほうが喜ばれると思います。メッセージカードなどもいいのでは。 3. 中古品でもいいの? 答、本なら大丈夫ですが、できるだけ状態のよいものにして下さい。 その他 1. 送った品物を持ち逃げot転売しない? 答、こればっかりはもう、信じてくださいとしか
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「悪い。待たせちまったか?」 「ああ。2分7秒程ね。まぁ誤差の範囲内だろう。」 今日は、不思議探索を休み、佐々木と買い物だ。 「さて、行こうか。」 「おう。」 「ニヤニヤして、バカじゃないの?あんのエロキョン!」 キョンが、不思議探索を休みたい、と言い出したのは、一昨日。 何の気なしにOKを出したんだけど……あの古泉くんを邪悪にしたような奴、藤原。あいつがわざわざ情報を洩らしてくれた。 「佐々木とあの男が、デートするぞ。これは規定事項だ。」 やたら必死だったし、信じてあげて様子を見に来てみたら……本当だった。 しかしまぁ。何でまたあいつはあんなに必死だったのかしら?あの様子じゃ、彼女なんて絶対出来ないだろうけど。 「……」 有希が顔を出す。何かハイライトが消えた目をして、ブツブツ言ってるけど、何を…… 「エラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラーエラー」 ……な、何も聞いてない。私は何も聞いてない! 「さて、まずは服を見に行くか。」 「そうだね。」 しかし、佐々木もいいところあるなぁ。 「服ですね。佐々木さんのチョイスで選んでますねぇ。キョンくんが着るには大人っぽいんですけど……」 みくるちゃん、甘いわ!ああやって自分の好みに仕上げるつもりよ!あの女狐なら、有り得るわ! 「ん~……?」 みくるちゃんは、まだ首を捻っている。 「いまいちパッとしないな。」 「そうだね。次はアクセサリーを見るかい?」 序でに俺も買い物しとくか。佐々木にお疲れ様の意味も込めてな。 「アクセサリー?彼がつけるには、ハード過ぎるチョイスなのですが……」 佐々木さんが持つのは、シルバーの大きなアクセサリー。そんなのキョンに合わないわよ! 「ん~……」 古泉くんとみくるちゃんが、頭を捻っている。 結局、佐々木さんはシルバーアクセサリーを買った。キョンも、何かここで買ったみたい。まさか……佐々木さんにプレゼント……ってないよね? 「朝比奈さん、気付きました?」 「ええ。大体は。」 古泉くんとみくるちゃんが頷きあう。 「何?」 私は二人を見るが…… 「予想通りなら、心配はいりませんよ。」 みくるちゃんが微笑む。 「寧ろ、その方のこれからが心配です。」 「エラーエラーエラーエラーエラーエラーエラー」 …………? 「さて、後は食事をして帰るかい?」 「お前、手持ちが寂しいだろ?奢ってやるよ。」 「助かる。ありがとう、キョン。」 いい雰囲気の二人が頷きあう。は、早くぶち壊さないと! 「キョン!」 私は慌ててキョンの前に出る。 「よう、ハルヒ。」 「涼宮さん。奇遇だね。」 二人が微笑む。……な、なんで笑えるの? 「キョン!あんた佐々木さんとデートするからって、団活休んだの?!」 二人は顔を見合わせ、大笑いした。 「くっくっ。デートなら、もっと雰囲気を出すさ。」 「デートなら、こんな色気ねぇもん買うかよ。」 ……え? 古泉くんとみくるちゃんが、苦笑している。 「おかしいと思ったんですよ。服にしたって、キョンくんにしては大人っぽい感じのものでしたし……」 「アクセサリーにしても、彼の趣味でなかったですから。」 ……え? 「くっくっ。藤原くんの誕生日が近いらしくてね。」 「それで、俺が世話を焼いたわけだ。」 …………え?え? 「き、今日、あんた逹がデートする、って、藤原が……」 私の言葉に、佐々木さんの目が不穏な光を帯びた。 「……ふぅん。」 佐々木さんは、古泉くんにアクセサリーを渡す。 「君逹から渡してくれるかい?茶番劇に巻き込んだお礼がしたいだろう?」 佐々木さんの言葉に、皆の目が輝く。 「……パーソナルネーム、藤原を敵性と判断……」 「んっふ。」 「涼宮さん、ちょっとお仕置きに行きましょうか?」 そうね……これは、あいつにお仕置きが必要ね!SOS団の団結にヒビを入れた罪は重いんだから! 「あ、おい!ハルヒ!これ持っていけ!」 キョンは私に何かを投げてよこした。これは…… 「アクセサリー屋にあった革紐だ。皆の分あるからよ!」 「わかった!ありがとう!」 こうして、嵐のようにハルヒ逹は去っていった。 「旋風のような人逹だね。」 「全くだ。」 橘が邪魔をする可能性も考えていたんだが、まさか藤原だとは。 「……で、だ。佐々木。」 「なんだい?」 「邪魔者が居なくなったところで、デートを楽しむか。」 「そうだね。」 この後はわかるよな? 佐々木用に買っていた指輪を渡して、幸せな時間を過ごした。 藤原? さぁ?月曜日に会ったハルヒ逹のスッキリした表情を見たら、奴に起きた事について同情はしといてやるぜ。 「なんでこうなるんだーッ!」 END
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ACEへの手紙につけたりゲーム中にACEに手渡したものなど、全てこのように管理されます。 t:ACEへプレゼントした品の扱い ={ 側面:非消費型アイテムは譲渡とし、PLはこのアイテムのHQ取得及びその派生を取得することが出来る。 側面:消費型アイテムはACEが使用したものとして使用済みとし、 PLはこのアイテムのHQ取得及びその派生を取得できない。 側面:消費型アイテムのうち、○日後に消滅する(生花など)ものは消滅するまでの間なら PLはこのアイテムのHQ取得及びその派生を取得することが出来る。#その場合PLと作業者は申請日をしっかり管理把握しないといけない。}
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「おーいれいむ(身体付き)、クリスマスのプレゼントは何がいい?」 「ゆ? なんでもいいの!?」 「あんまり高すぎるのは困るけどね」 「ゆ~んと、ゆ~んと……てれびげーむのそふとがほしいよ!」 「ゲームソフトか……。よし、何か選んで買ってきてやるよ」 「わーい、ありがとうおにいさん!」 -クリスマス当日- 「ほら、れいむ。プレゼントだぞー」 「わーい! あけていい、おにーさん?」 「おう。早速遊んでみてくれ」 「ゆっゆっゆ~♪ げーむ、げーむ……」 『メジャーwii パーフェクトクローザー』 「ゆ~~~~~~~~~ん!?!?!?!?!?」 バタッ……。 「れ、れいむ!? しっかりしろ、れいむーっ!!」 この後、ケーキと七面鳥を食べさせて、ようやく機嫌を直してもらいましたとさ。 ……ごめん、痛いニュースで 画像 を見たもので、つい……。 せめてカリスマゲー、デスクリムゾンにしろ -- 名無しさん (2011-05-07 16 59 41) 名前 コメント